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鮭鱒研究会

 焼き立ての鮭、ほどよい脂と塩加減が口の中に広がり、ご飯が 進みます。「鮭を焼いても、家族の反応がない」、「お弁当に 入れたのに、残してくる」こんな経験はございませんか。
子供の頃食べた鮭は、美味しかった。等と感じておられる方い ませんか。この研究会では、鮭・鱒の選び方、美味しい食べ方等を研究したいと思います。


鮭と日本人 ・鮭の食べ方 ・鮭の焼き方 ・おすすめレシピ ・昔の人の知恵 ・究極の鮭と鱒 ・鮭の学問上の分類と特徴

 


鮭の豆知識 1

身の部分では頭に近い場所をカマとよび、神棚に供えたり一家の主人が食べるものとされています。
しかし、これは女性の陰謀かもしれません。見た目は大きいのですが、食べれる部分は少ししかありません。男はうまくおだてられてカマを食べ、女性は身がたっぷりついたところを食べていたのかも?
 

鮭の豆知識 2

鮭は自然の海を回遊していますので、まれに寄生虫に感染している場合があります。昔はとれたばかりの生鮭を生のまま食べた場合、人間に寄生虫が感染した例がありました。

しかし、この寄生虫はー20度以下になるとすべて死滅してしまいます。一度冷凍した鮭ならば、刺身・マリネ・ルイベなど生の料理でも安心して食べられます。

 

鮭の豆知識 3

鮭や鱒を薄く切る場合は、大きめのブロックに切り分け、骨を取り除き、ラップして冷凍庫にいれます。半冷凍の状態で取り出しますと、簡単に薄く切れます。 
 

鮭の豆知識 4

栄養面でみますと、良質のタンパク質、カルシウムはもちろん、動脈硬化を防ぐ働きがあるEPAを多く含んだ脂肪が豊富です。美容と健康にはぜひ鮭をすすめて下さい。
さらに、鮭は家庭の冷蔵庫で再冷凍しても、味が落ちない魚です。

 

鮭の豆知識 5

北大路魯山人がお薦めの鱒

 カラフトマスは安い鱒で、おもに鮭缶の材料となります。6月から7月にかけて北海道で捕れます。切身の場合は一切れ100円以下だと思いますが、食べ方によってはいけます。

 北大路魯山人が著書「魯山人味道」(中公文庫)の中で、鱒のお茶漬を絶賛しています。「安いからといって馬鹿にはできない。きつめに塩をした鱒と皮も一緒に入れ、熱いお茶を注ぐことが秘訣である。皮からよいスープが出るので、鱒の茶漬は鮭を数段しのぐ」と書かれてあります。「ただ腹須の部分はまずいので、除いたほうがよい」とありますが、昭和7年に書かれた文章ですので、冷凍設備が不完全で、塩のみで保存していたため、脂の強い腹須が脂焼けをしていたのでしょう。現在は冷凍設備が完備していますので、腹須の脂焼けはないと思います。腹須からは、最もコクのあるスープが出ることでしょう。安い鱒が売っていたら、まず荒塩できつく塩をしてから、お茶漬にどうぞ。 

普通の塩焼きで食べる場合も、荒塩に小量の砂糖を加え、きつめの塩加減で身を締める事が旨さを引き出すコツです。塩甘がお好みなら、塩出しをしてください。身が柔らかく、コクがあっておすすめです。お弁当などには最適です。

 

紹介されました

故人となられましたが、芥川賞作家の開高健さんの著書「最後の晩餐」の中の「一匹の鮭」で小川屋を紹介されています。
 芥川賞受賞後、小川屋から「三面川の塩引き」を送ったので食べてほしい」との電話がありました。届いた鮭を食べたら、その気品のある味に感激したそうです。本に「小川屋のご主人、この本を読んでいたら、連絡をください」と書かれていたので、すぐに開高健さんへお手紙をさしあげました。ただ、父を含め年輩の方々に聞いたのですが「そんな事もあったかなあ」という感じで、だれが鮭を送って、電話で応対したのかは、不明でした。

開高健さんから、ご丁寧な返信をいただき「鮭鱒聚苑」という本を紹介されました。古い本でしたので、日本全国を探しましたが、見つかりません。最後に国会図書館に問い合わせましたら、ようやくありました。内容は鮭・鱒のすべてがまとめられているような、すばらしい本でした。   
 

紹介されました

作家、嵐山光三郎さんが著書「素人包丁記」の中で小川屋の目近鮭を推薦しています。ご縁ができたきっかけは、嵐山光三郎さんが連載していた料理記事の中で、さけ茶漬をとりあげたことでした。以来目近鮭と熟成紅ますの大ファンになられました。


 


嵐山光三郎さんの著書の中で「文人悪食」を読むと、食べ物の傾向によって、人間がどのような性格になり、どんのような行動をするかがわかります。近代文学史が料理と食べ物によって、たどられており、食べ物を商っている私にとっては、興味しんしんです。


 

鮭の一生

出発

冬 氷のはった川の中で生まれ成長した サケの稚魚(体長約5センチ)は、早春雪解けを待ってたかのように、 群れをつくり海へくだります。


海での生活

しばらく河口で遊泳し、北太平洋に向け 日本沿岸を離れます。 回遊しながら小魚やあみなどを餌とし成長し、 3年から4年たち、成熟したサケは生まれた川へ産卵しに戻ります。


生まれた川へ

成熟したサケは、生まれた川へ回帰します。

河川に入ったサケは、体に変化があり雄は、 鼻先が伸びて下に曲がり、キツイ顔になります。 雄雌とも銀色に輝いていたうろこから、 徐徐に黒ずみ体に赤の縞模様が出てきます。 激流をのぼり、滝があれば乗り越え浅瀬でも 何のことなく泳ぎ産卵場所の上流へ向かいます。

サケは、川に入ると餌を口にしませんので、 産卵場所にたどり着いた頃は、痩せ衰えています。

サケは、生まれた川へどのようにして戻って来られるかとても不思議です。 一説には、太陽コンパス、海流コンパス、 川の匂いを覚えた嗅覚と言われております。


産卵と死

サケは、一夫一婦制で、1組のカップルができると、 雌は、尾びれで砂利などを堀り産卵床をつくります。
床が出来ると、体を寄せあい最後の力を出し雌は、 卵を産み雄は精子を放出し受精します。 産卵が終わり、力尽きたサケは、 水流に流されながら息を引き取っていきます。




 

    鮭と日本人

一例ですが、日本人が、鮭からいかに多くの事柄を感じとったかがわかりま した。鮭を語る時、価格や栄養面といった物質面だけでなく、日本人の鮭への思い入れや、自然の恵みに感謝し学ぶ心といった精神面を理解していただければと思います。

 

 鮭は卵から稚魚になって海に出て、だいたい4年で自分が生まれた川へ帰ってきます
     ので、昔から先祖を貴ぶ魚、家を貴ぶ魚として珍重されました。

 鮭は平安時代の書物にもみられます。新潟県から朝廷への献上ものとされて いました 。
     身色が赤いことから腹赤(はらあか)とよばれ、正義・忠義の象徴 でした。反対語の
     腹黒(はらぐろ)は、現在でも使われています。  

 集団で川に戻ってくる姿から、鮭を協調性のシンボルともしました。

 オスのいかつい顔・するどい歯からは、何にも負けない勇気と、すばやい 行動力を感じ
      とりました。

 鮭の産卵はオスとメスが全身の力を出して行います。鮭は夫婦愛の象徴です。

 アイヌの人々は鮭を神の魚として、単なる食料とはみていません。

上記のことから、鮭は正月の魚になり、特別の宴席にもちいられたのです。


  鮭の食べ方


鮭は一匹まるまる食べる事かでき、捨てる部分がありません。

 は、塩焼き・粕漬・味噌漬に、生で食べるならマリネ ・刺身で、
      洋風ならステーキ・フライ・ムニエル・ スモークサーモン等があります。

 は、氷頭なますでもよいですが、適当に切ってから、あぶり焼きにしても
      旨いものです。
   さらに頭は和風の鍋はもちろん、焼いてからコンソメスープで野菜と一緒に
     煮込めば、鮭のポトフが出来ます。

 胴骨は、そのまま圧力釜で煮れば、鮭の中骨の完成です。
      昆布巻に用いますと味が出て美味しく仕上がります。

 内臓血合は、塩辛に加工できますし、エラさえも血液分を除いた後、
      フライにできます。
 

  鮭の焼き方


料亭では、鮭の切身に串をうち炭火で焼きますが、皆さんはどのように焼いておられますか。ご家庭で、手軽で美味しく焼ける方法を探したいと思います。香り、ふっくら感、旨味、皮のパリパリ感、手軽さなどを比較するため、試してみたいと思います。


ガスの魚焼き器→
そのまま焼く、アルミホイールに包んで焼く
ガスオーブン   →
そのまま焼く、アルミホイールに包んで焼く か又、
                          耐熱容器に入れて焼く

オーブンレンジ→
そのまま焼く

フライパン      →
アルミホイールに包んで焼く
ガスコンロ      →
そのまま焼く、アルミホイールに包んで焼く

電子レンジ(温め)→
ラップしてチン、耐熱容器に入れ、 レンジへ


 おすすめレシピ


鮭の刺身
わさび醤油でどうぞ。塩のきいた鮭の場合は、レモン汁を振りかけるだけで洋風の前菜となります。ごま油をかければ、中華風の刺身となります。オリーブオイルをかければ、イタリア風の肴に変身です。


鮭のマリネ
玉葱とレモンを薄切りにすればすぐにできます。薄切りにした鮭に、軽く塩と砂糖を振り掛け10分ほどおきます。鮭・玉葱・レモンを交互に重ね、即席ならばレモン汁をかければ完成。5日ほど日持ちさせたい場合は、良質の酢と油(大白胡麻油、オリーブ油)を加えて、一日ほど寝かせます。
そのまま酒の肴として、またバタートーストにのせますと優雅な朝食となるでしょう。 お正月などで、おせち料理に飽きた時などにも最適です。


鮭の頭のバーベキュー
鮭の頭を適当な大きさに切り、しばらく水につけて塩出しをします。水気をよく拭いて、醤油・酒・みりんのタレをつけて、あぶり焼きにします。


鮭の頭のポトフ
は、
頭を二つ割りにして、熱湯をかけるか、軽くあぶり焼きにしてから、酒を加えてコトコト煮てください。頭が柔らかくなってから、玉葱・じゃがいも・にんじん・キャベツを加え、コンソメスープの素を入れれば完成です。


 昔の人の知恵


塩加減

最近は薄塩ばやりですが、鮭・鱒の本当の旨さを引き出すには、ある程度の塩が必要です。 年輩の方は「昔の鮭は、焼くと塩が吹き出た」と言われますが、冷蔵、冷凍設備が未熟な時代は、塩をきつくして、 鮭・鱒を保存しました。結果、鮭や鱒の本当の旨さが味わえたのです。

塩辛いいものが苦手な場合は、塩をきつくした鮭や鱒を塩出しをしてから、食べてみてください。 塩出しは、ボールに切身を入れ、水を少しづつ流しながら、2時間もすれば完了です。うんと薄塩にする場合は、半日ほど塩出しをしてください。 最初から薄塩の 切身とは、まったく風味が違うはずです。塩漬け、塩だしと少々手間がかかりますが、美味しく鮭を食べるには、塩の仕方がポイントです。


干す

一夜干や干物の魚は、鮮魚とは違った旨さがございます。鮭・鱒も干すことで、旨味が増します。 三面川でとれる塩引き、南部鼻まがり鮭などは、川に戻ってきた鮭ですので、海でとれた鮭と脂肪分がおちており、そのまま食べますと、ボソボソして美味しくありません。

この鮭はまず、きつく塩をして一週間ほどおいて身を締めます。つぎに塩出しをしながら竹ベラで皮のヌメリを丁寧にとり、一週間ほど干し上げます。干すことで水分がなくなり、相対的に脂分が強くなります。干すことで、鮭が熟成し、独特の風味が出てきます。気候風土と人間の知恵が作り出した、傑作と言えるでしょう。

一本物の新巻をいただいた時は、一度試して下さい。まず鮭の水分をよく拭き取ります。腹の部分に割り箸を入れ、腹が開いた状態にします。あとは直射日光や雨水のあたらない、風通しのよい場所に、一週間ほど干せば完了です。ただ最近は、冬でも気温が高い場合があります。その時はやめてください。

切身の鮭や鱒は日持ちがしませんので、そのまま干す事は難しいと思います。しかし吸水シートを利用すれば、簡易一夜干しになります。吸水シートで切身を包み、冷蔵庫で1日から2日保管すれば完成です。最初の切身の味と比較して下さい。まったく味が異なると思います。
 

まだ試していないのですが、干すアイディアがいくつかございます。

@
家庭用のガスオーブンに火をいれないで、送風ファンだけがまわるように
    して 一時間程乾燥させる。

A
扇風機か整髪用のドライヤーで鮭の切身に冷風をあてる。

B
冬の時期に限られますが、アジの開きの製法と同じように、思い切って
    太陽にさらしてみることです。
 
雪国では、晴れ間を利用して、雪の上で切身を太陽にさらしたら、おもしろいと思うのですが。ただ切身の鮮度を保つため、干す時間は30分から1時間が限度でしょう。どうぞ、実験してみてください。
 

くせを取る

脂の強い鮭・鱒の中には、旨さはあるのに、独特のクセがある場合がございます。安くて旨そうだったので、思わず買ってしまったが、食べてみると「泥くさくて」という経験はございませんか。  

クセを取るには、一本のまま鱗のヌメリを取ることです。切身の場合は、塩をして泥くささを除く、味噌や酒で調味したり、マリネにするなどの方法がございます。

クセのある鮭や鱒の切身の場合の対処方法は
@
吸水シートに一晩ほど包む
A
荒塩と小量の砂糖を施し、一晩おいてから塩出しをする
B 酒とみりんを加えた味噌に漬ける
C マリネにする
。荒塩と小量の砂糖をふり、
    一時間ほどしてから、レモン汁とオリーブ油をかける  などがあります。

ただ味噌漬になっている鮭・鱒でクセがある場合は、どのようにしたらよいか、私もわかりません。どなたかよい知恵はございませんか。


究極の鮭・鱒


高価ですが、一度食べたら忘れる事ができない鮭・鱒がございますのでご紹介いたします。鮭・鱒は、一切れが500円から2000円もしますが、一度食べたら「こんな鮭・鱒があったのか」と感激することでしょう。
 

@ 日本海の本鱒(サクラマス) 4月 〜5月に捕れます

日本海、佐渡沖でとれます。頭は小さいのに、腹回りが極端に大きく、愛敬を感ずる魚でございます。焼くと、脂がはじけ、独特の香りがただよいます。漁獲量が少なく高価なため、高級料亭向けが主体で、一般にはあまり出回りません。「幻」という言葉がぴったりの鱒です。特に3kg以上の大型のものは脂ののりが最高です。  

塩漬や味噌の一夜漬で食べます。じっくりと弱火で、最初は身のほうに火をあて、最後に皮の面を焼くのがコツです。焼きたてをお皿に盛りますと本鱒の脂が皿に広がるのが、わかります。

A 定置網でとれる時不知鮭(ときしらずさけ)6月 〜7月に捕れます

鮭は普通秋に捕れまが、夏に捕れるので「時を知らない、時期はずれ」という意味の名前がついております。時不知鮭もとれた場所、時期、大きさによっていろいろな種類があります。
六月下旬から七月初旬に北海道の羅臼地方(らうす)周辺の定置網でとれる鮭が最上の時不知鮭との評価がございます。この中でも4kg以上の鮭は最高です。この鮭は秋にカムチャッカ半島の川に戻るのですが、回遊中に定置網にかかります。若い鮭で、脂ののりは最高です。ほとばしる脂、豊かな香りが楽しめます。土用の丑の日には鰻がつきものですが、定置網時不知鮭で夏バテ防止は、いかがでしょう。

 

B オホーツク海の目近鮭(めじかさけ)  11月に捕れます

11月頃、オホーツク沿岸の網にかかる特殊な鮭がございます。
頭が小さく目がよっているので、目近鮭という名前がつきました。目近鮭はオホーツクの川に戻る鮭ではございません。宗谷岬を経由して日本海を南下し、秋田県や山形県の川に帰る鮭が、オホーツクの網にかかるのです。
川に到着する1月半前の状態でとれますので、筋子や白子が未熟で、身に旨さがございます。脂が強いため、塩を擦り込む時、鱗がはがれます。残った鱗は青光をしています。鱗がはがれた目近鮭は美味しい証です。

脂肪分だけを見れば、本鱒、時不知鮭が多いのですが、旨味は目近鮭が一番でしょう。食べあきない鮭です。目近鮭とご飯、味噌汁で食事をしていますと「日本人に生まれてよかった」としみじみ感じます。

C秋鮭に混じってとれる鮭児(けいじ) 10月〜11月に捕れます

テレビなどで「幻の鮭」などと紹介された為、価格が急騰いたしました。小振りの鮭児で、一本10万円程もいたしますので、異常な高値です。  

鮭児は、その名前のとおり子供の鮭でございます。鮭は普通4年で自分の生まれた川に戻ります。まれに早熟な鮭もいるのでしょう。3年で帰ってきた鮭を、鮭児とよびます。   

マトンとラム、成牛と仔牛と同じように、鮭の場合も、幼いほうが香りやクセが穏やかで、肉質は柔らかくなります。塩焼でもいいのですが、鮭児の本領が発揮される食べ方は、あまり火を通さない「刺身」や「シャブシャブ」などです。冷凍した身を半解凍すれば、薄く切る事ができます。
 

 鮭の学問上の分類と特徴


動物学上の分類でみると、鮭は「さけ科」に属します。「さけ科」は4つの属に分けられ「さけ属」「にじます属」「いわな属」「いとう属」となります。

日本の市場に一般に出回るのは「さけ属」で、北太平洋北部とその沿岸に生息している鮭です。この中には「白鮭」「カラフトマス」「サクラマス」「紅さけ」「銀さけ」「キングサーモン」があります。

小川屋で、三色漬やさけ茶漬に使っている目近鮭は、「さけ属」の中の「白鮭」に分類されます。弁当鮭は、「さけ属」の中の「銀さけ」と「紅さけ」です。紅ますと、鮭焼漬に 使われているアトランティックサーモンは「にじます属」に属し、主に大西洋北部に生息しています。


 

鮭と鱒については厳密な区別はありませんが、秋に産卵するものが鮭、春から初夏にかけて産卵するのが鱒と考えてよいでしょう。
「さけ属」のうち白鮭以外のカラフトマス、サクラマス、紅さけ、銀さけ、キングサーモン などは、すべて鱒です。かつては、寒いと鮭が豊漁で、暖かいと鱒が豊漁といわれましたが、最近は鮭の放流事業が定着したため、鮭については極端な豊漁・不漁の波はなくなりました。

白鮭の仲間と新巻。秋に川へ帰ってくるので、秋味ともよばれている一般的な鮭が白鮭です。
カナダでとれる白鮭は、通称「チャム」とよばれています。

「白鮭」はとれる場所や時期によって、目近鮭、銀鮭、Aブナ、Bブナ、ホッチャレ、時不知(ときしらず)などに分けられます。

鮭は、川に入るとあまり餌を食べず産卵の準備を始めますので、川を上るにつれ、脂肪分が落ちていきます。また海にいても時期が遅くなると産卵の準備をして、身の品質が落ちてきます。

近年鮭の放流事業が定着し安定した漁獲量がありますが、年々鮭の大きさが小さくなってきています。過去15年で、一匹あたり1kgほど小さくなりました。小川屋の切り方である田舎切にしますと、切り身の数が少なくなり、こまっているのが現状です。

一般に売られている新巻で、輸送途中で袋の中に水が溜まる事があります。これは今の鮭はえらや内臓をとった後、塩を表面にまぶして急速冷凍を行うため、身にはまったく塩がまわっていないからです。輸送途中で鮭が解凍され腹にある塩が身にまわって、水分がでてくるのです。粗成乱造の新巻といってよいでしょう。

昔ながらの新巻の製法は、えらや内臓をとった鮭に塩をすりこみ、浜で山積にしておくやり方です。通称「山漬」(やまづけ)とよばれます。鮭の鮮度がよいうちに塩をまわし、余分な水分をとり、身を引き締め旨さをだしてゆきます。

目近鮭で山漬をおこなって新巻を造っているのは、日本中で小川屋だけです。急速冷凍ものと比べ、手間がかかる事と水分が15%ほどでるので、価格は高くなりますが、旨さが違います。

《目近鮭》
北海道のオホーツク沿岸、日高沿岸でとれる特殊な白鮭です。その地方の川に戻る鮭ではなく、オホーツクものは秋田・山形の川に戻る鮭がオホーツクの網にかかり、日高ものは岩手の川に帰る鮭が日高の網にかかるものです。小川屋で用いる目近鮭はオホーツクものです。

回遊途中なのでメスは筋子、オスは白子が未熟なぶん、身にうまみがあり、香りもすばらしいものです。青年期の鮭といえます。顔が小さく目がよっている事から目近の名前がつきました。顔が小さいので、少し鮭を知っている人はすべてメスの鮭かと勘違いする場合があります。

身の脂肪分が強いため(12%から13%)鱗がはがれやすい特徴があります。扱いが荒かったり、鮮度が悪くて鱗がとぶ場合がありますが、目近鮭の場合、鱗がはがれていることは、脂肪が強い証拠です。

《時不知(ときしらず)》
鮭は通常秋に市場に出回りますが、初夏に出回る鮭があり時期はずれという意味から、時不知(ときしらず)と呼ばれています。時不知には、2つのタイプがあります。

ひとつは外洋で回遊中の白鮭を船団で捕るものです。2kgほどの大きさで小振りです。船内で塩を施したものが「沖トキ」、冷凍して輸送し、陸上で塩を施したものが「丘トキ」と呼ばれています。船の冷凍設備の関係から、「丘トキ」のほうが通常品質が高いです。

2つめは、「定置網の時不知」と呼ばれているものです。秋にカムチャッカ半島の川に帰る鮭が日本近海を回遊中に6月から8月にかけて、三陸から北海道沿岸の定置網にかかります。3kgから4kgになり脂肪分も20%ほどで評価が高い鮭です。漁獲量が少ないので、一般にはあまり出回りません。

《銀鮭》
帰ってきた鮭を、川に入る前にとったもので鱗が銀色に輝いている鮭をいいます。主に切身用、新巻に用いられます。脂肪分は、オホーツク物で7%から10%、太平洋物で5%から7%くらいでしょう。

《Aブナ》
少し川に入った状態でとれた鮭をいいます。鱗がやや白っぽくなったり、たてに黒や赤いしまが出てきます。オスは顔がいかつく、大きくなり、メスは筋子が大きくなってきます。脂肪分は1%から3%くらいに落ちます。

新潟の三面川の鮭、南部鼻まがり鮭、石狩川の鮭などは、いずれも川に入った鮭で、Aブナです。脂分は落ちてきますので、そのまま薄塩で食べると今一歩でしょう。

新潟の塩引鮭は、塩を施し身をしめた後、塩出しを行い、寒風に干して造ります。水分がとんだ分、相対的に脂肪分があがり、熟成しますので、独特の枯れた味わいが出てきます。 

新潟の酒の肴である「鮭の酒びたし」は、塩引鮭をこのまま半年程干し、熟成させたものです。べっこう色になった鮭の干物です。その地方でとれる鮭と気候風土、製造技術がうまくマッチした典型的な例でしよう。

《Bブナ》
さらに川をのぼった鮭で、体全体が黒っぽくなります。脂肪分もなく、身がぱさついて商品価値はありません。英語で白鮭のことを、ドッグサーモン(犬の餌用の鮭)とよびますので、鮭を知らない人が、白鮭の事を馬鹿にしますが、これは、カナダの白鮭(チャム)が川を遡り、Bブナになった状態のものをさしているものと思います。日本でもBブナになってしまえば、価値がおちます。

《ホッチャレ》
産卵を終えた鮭です。まもなく死んでしまいます。

カラフトマスは成熟すると、背中が盛り上がるので背張ますとも呼ばれ、安価な鮭の缶詰に多く使われます。食品売り場にある鮭缶の表示を見て下さい。 

小さなものは青鱒と呼ばれ安い惣菜の代名詞でした。しかし、美食家で陶芸家であった北大路魯山人は、著書の中で青鱒のお茶漬を絶賛しています。安いからまずいというのは間違いで、自分の舌でためす事が必要でしょう。

サクラマスは新潟では本鱒と呼ばれ、佐渡沖でとられ、4月から5月位が旬となります。大きなものは一匹が3kg以上になり、香りがよく脂ものっておりますが、漁獲量も少なく、目近鮭より高価な魚です。主に料亭向けで、一般の店頭には並ばないでしょう。

白焼きにして醤油をかけて食べたり、味噌漬にして食べますます。頭が極端に小さく、胴回りがおおきいのでユーモラスな感じです。1kg前後の小さな本鱒は安価です。

紅さけはさけと呼ばれていますが、鱒です。身色が赤くきれいで、和風の加工にも、スモークサーモンなど洋風の加工にも用いられています。高価な鮭の缶詰は、紅鮭を使っています。初夏に産卵のため川に戻りますと体全体が赤くなります。テレビCMの素材となっていましたので、見た人も多いと思います。

「紅さけ」は一般的には高級なイメージがありますが、産地により品質は大きく異なります。高い評価の順にカナダもの、ローカルもの、ブリストルものとなります。これらの「紅さけ」は6月ころ河口でとれ、日本の市場へ出回るのは8月以降です。

これとは別に、回遊中の「紅さけ」を船団でとったものが、6月頃から出回ります。通称「本紅」とよばれ「紅さけ」の中では、最も高い評価を受けています。

「紅さけ」は産卵後1年間を湖で過ごしますので、川の上流に湖が必要です。孵化したのちすぐに川から海へ下る他の鮭よりも、自分の生まれた場所をよく覚えています。回帰率が高いのが特徴です。関東よりも、関西地方で多く食べられています。

銀さけは通常売られている銀さけとは異なります。一般にいう銀さけは白鮭のうち、川に入らないうちに海でとったもので、鱗が銀色の鮭か、養殖の銀さけを意味している場合が多いとおもいます。

しかし、「さけ属」の分類でいう「銀さけ」は別の魚をさしています。今まで日本に入ってくる量が少なかった為あまり一般の店頭にはでていませんでした。「銀さけ」も鱒の仲間です。身色が鮮やかで、香りが良いわりには安価でお買得だと思います。さめても旨さと香りがある鮭です。ただ、身が柔らかいので扱いには注意が必要です。

キングサーモンは魚体も大きく(5kgから12kg)、脂肪分も高いことから鮭の王様という名前がついています。カナダのユーコン川のものが最も高い評価を受けており、次がベセル。そのつぎに、ブリストルです。ステーキ、ムニエルなど洋風の加工をした場合に、もっとも持ち味が生きるでしょう。

 

新潟 小川屋 
〒951-8063 新潟市中央区古町通5-611  お問い合わせ こちらから
TEL 0120-229-011  FAX 0120-206-831 AM 9:30〜PM 6:30  定休日 水曜日(中元・歳暮時は無休)